「雨女か、晴れ女か?」
そう聞かれたら、私は比較的雨女だと思います。「絶対に雨が降る!」というほどではないので”比較的”なのですが、世の中には雨を必ず降らせるほどの雨女・雨男も存在するそうです。
雨を呼ぶ”雨女”とは?
雨女とは雨を呼ぶとされる日本の妖怪であり、転じて外出や重要なイベントがある日は決まって雨天となる女性を「雨女」、男性の場合は「雨男」と言われています。雨女・雨男とは対照的に晴れ女・晴れ男もいます。
大事なイベントのときに雨が降るというのは確かに迷惑なことでしょうが稲作が全ての中心だったかつての日本において雨が降らない日(旱魃)が続くと命に係わるので、”雨乞い”は巫女(神女)の重要なミッションでした。
当然ですが雨女・雨男には科学的根拠はありません。
そもそも、雨の多い日本においては1年の3分の1は雨です。特に、外でのイベントが増える4月~9月にかけては統計的に雨の日が多くなっているので、誰もが雨女・雨男になり得るのです。
雨の日は晴れの日に比べて人の記憶に残りやすいと言われています。
晴れ・曇りを”普通の日”と思う傾向があるため、雨の日は特別扱いされて想い出と紐付けされやすいのです。出会いにおいても雨の日に出逢った人(特に異性)は印象に残りやすいと言われています。古代中国・楚の文人・宋玉が詠った詩をもとにした「朝雲暮雨」という故事成語は”男女の密かな交情”を意味しています。
雨女・雨男の守護霊は龍神?
”雨を呼ぶ”という雨女・雨男は現代において悪いイメージ(レッテル)となっていますが、昔は神様扱いをされていました。現代でも雨の降りにくい地域・地方では”雨を呼べる者”は神の使いとして崇められます。
スピリチュアルな世界では人は誰しも守護霊による守護を受けているとされています。守護霊といっても守り方には守護・支配・指導・補助の4タイプがあり、それらがとっかえひっかえ場に合わせて守護していくとされています。
人格は支配霊に似ると考えられ、支配霊は天狗・稲荷・龍神・弁天の4タイプあります。雨女・雨男は龍神の守護を受けていると考えられ、対して晴れ女・晴れ男は稲荷の守護を受けていると考えられています(スピリチュアルなことなので科学的な証明はできません)。
天気の神様を祀る気象神社
時代・地域によって神の使いとされる雨女・雨男でも、現代日本において”レッテル”であることは否定できません。「雨女(雨男)と言われて嫌な気分になった」という声も少なくなく、”雨に合いやすい=不運”というイメージもあるため「私は運が悪い」と思っている人も多いです。
「もう雨女(雨男)と呼ばれたくない」と言う人がお祓いに行くことが多いのは高円寺(東京都)の氷川神社にある気象神社です。
気象神社は日本で唯一天気の神様を祀る神社で、戦時中の1944年(昭和19年)に陸軍気象部構内に造営された神社です。祭神は八意志兼命(やごころおもいかねのみこと)という知恵の神様です。
本来ならば、戦後の振動指令により撤去されるはずでしたが調査漏れで残存しています。
気象神社の絵馬は下駄を模したユニークなものであり、「晴天祈願」「脱雨女」と書かれた絵馬を多く見受けられます。同じくたくさん並ぶのは「合格祈願」で、天気の神様を祀る気象神社は気象予報士の受験者がたくさん合格祈願に訪れます。
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