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約30kmの道路が2000億円の収益を生む

2017年2月26日(日)に圏央道の境古河IC~つくば中央IC(茨城県内の区間、28.5km)が開通し、圏央道の計画のうち9割が完成したそうです。圏央道は東京都をぐるっと囲むよう道路なので、圏央道があると関東の県の移動がとても簡単になります。

今までは都内(首都高など)に入らなくては関東の県移動ができなかったので、「混雑しているし、車線変更が複雑だし、とにかく首都高を運転したくない!」と思っている私には朗報です。38℃以上の高熱を出した旦那に首都高だけは運転させたという過去もあるため、旦那にとっても朗報だと思っています。

今回の圏央道・境古河IC~つくば中央ICの開通により約2,000億円の収益が見込めるようです。今回は新たな圏央道が生み出す収益について調べてまとめてみました。

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日本を変える大都市を囲む環状道路

圏央道のような環状道路の開通は、その道路沿線だけでなく周辺へも大きな変化をもたらします。今回開通したのは約30kmですが、この30kmが繋がることで観光業や運送業を始めとして日本全体の経済に約2,000億円の収益が見込めるそうです。

道路の整備などの社会資本の機能を作ることは中長期的な視点で経済を見通すことができます。人の流れが変わることにもなるので、人が増えて収益が増えるなど環状道路は様々な自治体の経済力にも変化を与えます。

開通により期待されるストック効果

社会整備がされて社会資本が機能することで中長期的かつ継続的に得られる効果を”ストック効果”と言いますが、今回の圏央道開通は次のようなストック効果が期待されます。

今回のイベントで期待できるストック効果
● 関東各地の観光地へのアクセスが向上
● 大型物流施設の効率化で生産性が向上

圏央道は外環道、中央環状とともに都心を囲む予定の3つの円のうち、一番外円となります。円が完成することで都内をバイパスすることができるようになり、都内の渋滞解消が期待されます。

道路移動の約4割が渋滞損失と言われています。都内をバイパスできるようになれば都内に入る車の量も減少することになり、全体的に渋滞損失が減少すると考えられます。「どこに行くにも混むし…(≧ヘ≦) 」という考えがなくばれば観光事業の収益アップも見込まれます。

成田空港から秩父・日光に行きやすい

日本の玄関口である成田空港に着いて最初に思うことは「さて、都内(東京)に行くか」です。バスであれ、電車であれ、今まで成田空港に着いた観光客はどこに向かうにしろまず都内に行く必要がありました。これが今回の圏央道の開通により、秩父や日光のように関東郊外に行こうと思う外国人観光客は東京に行く必要がなくなります。

「全ての道路は日本橋に通じる」という言葉は昔の言葉ではありません。つい先日まで東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関東道は全て都内には向かうもののお互いが繋がっておらず、全て都内に一旦入ってから散らばるという構図でした。それでは都内が常に渋滞するわけです。

今回の圏央道開通によりぐるりと大きな円を描くように都内をバイパスしてどこにでも行けるようになったのです。今回の開通で最も注目したいのが成田空港と関東郊外の観光地が繋がった点です。

観光客が欲しいのは地元ならでは”情報”

世界文化遺産に登録された富岡製糸場(群馬県富岡市)やユネスコ(国連教育科学文化機構)に登録された細川紙(埼玉県小川町、東秩父村)がとても行きやすくなります。世界に観光地として発信されているため、ここに来る外国人は増えるであろうことが予想されます。

またこれらを始めとして、関東郊外の観光地では今まで少なかった外国人観光客を増やそうとする取り組みが行われるようです。環境庁が外国人観光案内所を訪れた人にアンケートを取った結果、次のようなものを外国人観光客は必要としているようです。

外国人旅行者が欲しいサービス(環境庁調べ)
● 無料公衆無線LAN環境
● 英語でのコミュニケーション
● 目的地までの公共交通の経路情報
● 両替・クレジットカードの利用(環境)
● 観光情報・飲食店情報の入手

日本人はつい「英会話を勉強する(させる)」と考えがちですが、翻訳機能は年々向上しているためタブレットなどがそこは代行してくれます。それよりも自分で調べやすいように無料公衆無線LAN環境を整えたり、そこで暮らす人が”おすすめ”を持っていることがとても大事なようです。

日本人だって旅行中に「どこかに美味しいお店はありませんか?」と地元の人に訊ねたとき「〇〇!」と即答されると何か嬉しいですよね。私も新婚旅行中にホテルの人におすすめのお店やお酒を教えてもらいました。ガイドブックに載っていないビールで、それが飲めるお店を人に聴きながら探すのも楽しかったし、それを飲めたとき異様な達成感と充実感がありました(* ̄∇ ̄*)エヘヘ

圏央道沿線には大型物流施設が約1600件

今回開通する区間を含めて圏央道(東名高速道~東関東道)の沿線には大型物流施設が約1,600件あります。今回の圏央道開通により生産性が飛躍的に向上すると予想されています。また茨城県は工場地帯の区画整理事業などへの取り組みが進んでおり、2013年~2015年の3年連続工場立地件数が全国第一位になっているという実績を含め今後も工場が増えていくことが予想されます。

ここ数年で開通している圏央道沿線は”これから”の期待が詰まった様に未だ何もありません。特に沿線の東側は平坦な土地かつ周辺に広大な安い土地があるため、充実した設備の工場(従業員用駐車場もばっちり)を作ることができます。また圏央道沿線であれば高速道路を使って遠方から通勤もできたり、結婚したり家を買ったりと、ライフスタイルの変更にも比較的対応しやすい環境でもあります。

都市機能を再生するのが環状道路

一極集中している大都市を囲むように環状道路を整備すると、都心に流入する交通量を減少させ、パンク寸前だった都心部の都市機能を再生できる様になります。それと同時に周辺の核都市(そこそこ大きな都市)間の交流が活発化し一極集中していた都市圏の構造を再編することができます。

物流においては環状道路と放射道路の交差する地域に拠点を置くことにより、物流システムが効率化します。物流システムの効率化は他の生産事業の発展ももたらします。

環状道路の役割まとめ
● 通過交通の都心部への流入を抑制
● 郊外から都心への交通を分散誘導
● 周辺への直接移動
● 災害や事故等での不通への対処

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