今年もインフルエンザが流行し始めました。現在は感染者全員がインフルエンザA型のようです。私はインフルエンザにかかったことがありませんが、旦那はここ3年連続でかかり、昨年は一子も感染しました(昨年は2人ともインフルエンザB型に感染)。
2017-18年シーズンから1回の服用で十分効果のある抗インフルエンザウイルス薬が承認されました。一子は薬を飲むのが嫌いなので万が一感染しても安心です。さらにこの新薬は赤ちゃんの二子も飲むことができます(体重10kg以上の子どもが服用可能)。
今回は新しい抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」についてと、インフルエンザの簡単な予防法などをまとめてみました。
1回でインフルエンザウイルスに効く新薬登場
2018年2月に承認された新薬・バロキザビル マルボキシル(商品名「ゾフルーザ」)は1回の服用で効く抗インフルエンザ薬です。A型またはB型インフルエンザウイルス感染症に適応しています。
従来の抗インフルエンザウイルス薬(タミフル、リレンザ、イナビルの3種類)は1日2回5日間服用する必要があります(点滴での治療の場合は別)。
ゾフルーザは錠剤(10mgまたは20mgの2種類)のみですが、今後は顆粒が出る予定だと発表されています。
- 成人または12歳以上の小児 40mgを単回投与(体重80kg以上の場合は80mgを単回投与)
- 12歳未満の小児(体重40kg以上) 40mgを単回投与
- 12歳未満の小児(体重20~40kg未満) 20mgを単回投与
- 12歳未満の小児(体重10~20kg未満) 10mgを単回投与
体重10kg以上ならば”(乳)幼児でも服用可能”という点でこの新薬は注目を集めています。
ウイルスにクローンを作らせない薬
インフルエンザウイルスは感染した細胞内で遺伝子をコピーし、増殖・放出することで他の細胞に感染して拡大していきます。ウイルスのクローンが拡散して他の細胞を汚染するイメージです。
従来の抗インフルエンザウイルス薬(タミフル、リレンザ、イナビルの3種類)は発症時には既に増殖しているウイルスのクローンが更に他の細胞を汚染するのを阻害する薬です。
一方で、ゾフルーザはウイルスがクローンを作ろうとするのを阻害する薬です(正確にはウイルスのmRNA合成を阻害する)。
1回飲めば良いというメリットと副作用
ゾフルーザは1回の投与で治療が完結するため利便性が高く、良好なアドヒアランスも期待できます。ゾフルーザは2015年10月に「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されたことから、通常の予定より早く承認が下りています。
一方で、ゾフルーザ使用による副作用があるので注意が必要です。国内臨床試験で服用した患者の1%以上の患者に下痢、1%未満の患者に頭痛、ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加が認められています。
参考:新規機序の抗インフルエンザ薬が先駆け承認(日経メディカル)
スポンサードリンク2018‐19年に流行る予想の株(種類)は?
2018年~2019年に最も流行ると予想されているのは香港型インフルエンザA型(A/H3N2)です。
また、2017‐18年に流行ると予測されてあまり流行らなかったインフルエンザ(A/H1N1pdm09)が今シーズン流行ると予測もされています。H1N1タイプのインフルエンザは子どもがかかると肺炎を起こすなどの重篤化する恐れがあるので注意が必要です。
インフルエンザA型とは?
ヒトだけでなく、鳥や豚も感染するインフルエンザウイルスです。144種類もあり、変異しやすいのが特徴です。
現在ヒトが感染するのはA/H3N2(香港型)とインフルエンザH1N1の2種類と言われています。
インフルエンザB型とは?
ヒトのみが感染するインフルエンザウイルスです。変異しにくいウイルスで、山形系とビクトリア系の2種類のみです。
隔年で流行する傾向があるので、2017-18年に流行したため、2018-19年には流行しないだろうと予測されています。
インフルエンザC型とは?
ヒトのみが感染するインフルエンザウイルスです。A型とB型と違って診断方法(検査方法)がなく、風邪として扱われやすいです。
感染力が弱く、患者は5歳未満の子どもがほとんどです。大流行することもないためワクチンはありません。
風邪かインフルエンザかの見分け方
風邪かインフルエンザかは次のポイントで見分けることができます。
- インフルエンザはインフルエンザウイルスが原因
- インフルエンザは38.5℃以上の高い発熱がある
- インフルエンザは風邪の症状に加えて頭痛、関節痛、筋肉痛がある(子どもが痛みを訴えた場合は要注意)
「インフルエンザかも…」と思ったら病院で検査を受けた方が良いです。鼻孔に綿棒を突っ込むので痛みがあって子どもは嫌がりますが、インフルエンザは急に発症して一気に症状が悪化するので検査しておいた方がいいです。
自宅で簡単にできるインフルエンザ対策
- 予防接種
- 手洗い・うがい(+アルコール消毒)
- マスクをつける
インフルエンザの流行は例年11月~翌年3月下旬までです。インフルエンザワクチンの効果は約6ヶ月間なので、1シーズンに1回接種すれば間に合います(12歳未満は2回接種する必要がある)。
生後6ヶ月を過ぎていればインフルエンザの予防接種が可能です。予防接種は最大の予防法ですが、100%予防できるわけではないので注意しましょう(感染・発症しても、予防接種をしてあれば重篤化を防げる)。
また、予防接種は周囲で流行り始めてからでは遅いかもしれません。予防接種の効果は体内で十分な免疫ができて発揮されます。免疫作りには予防接種後約2週間かかります。
家族の誰かが発症した場合、できるだけ生活範囲を他の家族と離して接触は最小限に留めるようにします。同じ部屋で生活する場合は全員マスク着用が望ましいです(睡眠時も)。
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