自宅の駐輪スペースを拡張することにしました。
拡張したのは今後自転車やバイクの出番が増えそうだからで、雑草もよく生えるスペースでもあったので、インスタントモルタルを使って舗装することにしました。
自転車利用率の高いエリアでは、駐輪スペースは必須です。
車に比べて自転車は駐車スペースが小さいため、歩道や車道に気軽に駐車されがちです。
実際、隣家のアパートの住人が、敷地内の駐輪スペースが腰の高さまでの雑草に覆われて使いづらいのか、公道に自転車を停めていました。
それもなぜかうちの前、車を出し入れするときに邪魔になる場所。
警察に相談したのですが「公道に無断で停めている自転車に適用できる法律はない」という理由でそのまま放置が継続されました。
放置自転車 に困っても自分では何もせず警察に相談
放置自転車 とは「持ち主がそばにいない状態で放置された自転車」を指し、放置自転車によって通行が妨げられた場合は自分では何もせずに警察に相談します。
警察に相談するときは「#9110」を利用するようにします。
#9110は『警察相談ダイヤル』で(電話料金はかかる)、多岐にわたる相談を総合的に受け付け、相談内容に応じて窓口などを案内してくれます(ダイヤル回線や一部のIP電話からではつながらない)。
外出先で管轄の警察の直通ダイヤルが分からなくても、例えば埼玉県内で#9110を押せば埼玉県内の警察に自動的につながります。
【実体験】 放置自転車 に相談したあとのこと
放置自転車について警察に相談すると、担当者が現地に派遣されてきます。そして車体に貼られた標章などで登録番号などを確認し、それが盗難車かどうか確認するのが一般的だそうです。
盗難届が出ている場合はそのまま警察が担当することになりますが、盗難車でない場合は所有者に該当の自転車が問題視されていることをアナウンスして自治体の役所に回収依頼をします。
条例によって回収までの期間はいろいろですが、すぐに回収撤去されることはないようです(警察にその権利がない)。
放置自転車 に関わる法律
放置自転車を処分するには行政手続きが必要で、放置されていても個人の財産と見なされる自転車を勝手に処分することはできません。
所有者が分かる場合は所有者への周知して原則返還、所有者が分からない場合は遺失物法の規定により警察署長への届出が必要になります。
放置自転車が「違法である」と処罰されるのは、
- 庭など他人の私有地に放置した場合(財産権の侵害)
- 駐停車禁止および駐車禁止の車道上に放置した場合(道交法違反)
- 使用しなくなった自転車を放置した場合(不法投棄)
自転車法では、放置自転車対策は自治体に任されており、自治体は条例などを作って一定の範囲内で自転車を撤去できるようにしているようです。
放置自転車 を勝手に乗り回したり処分した場合は?
放置自転車を勝手に乗り回したり処分した場合、「持ち去った」と判断されると「窃盗罪」もしくは「占有離脱物横領罪」が成立する可能性があります。
窃盗罪の場合は10年以下の懲役または50万円以下の罰金、占有離脱物横領罪の場合は3年以下の懲役または30万円以下のばっきんです。
どちらの刑罰になるかは「当該の自転車が誰かの占有下にあったかどうか」です。
占有下にあった自転車を、占有者の意に反して持ち去った場合は「窃盗罪」、誰の占有下にもない自転車(誰かの財産ではある)を持ち去った場合は「占有離脱物横領罪」になります。
窃盗罪は、他人の占有する財物を、占有者の意に反して自分の物にするために持ち去った場合に成立します。占有離脱物横領罪は、誰かの財物ではあるものの、誰の占有下にもない物を持ち去った場合に成立します。
私有地に放置された自転車の場合
私有地に放置された自転車については土地所有者のものと見なされ、役所も警察も対応はしてくれません。
私有地に放置されている場合、一定期間の周知などのルールを守れば、その後処分しても罪にはならないようです。
ゴミ捨て場にある自転車の場合
その自転車が”捨てた物”であると明らかならば、持ち主が所有権を放棄した自転車(無主物)になるため、勝手に乗っても処分しても罪にはなりません。
但し、この場合は明らかに”捨てた”と証明できる必要があります。
誰が見ても廃棄物と思われる状態、例えば「 全体に錆びつき、ブレーキも壊れ、後輪からタイヤが外れるなど、長期間の不使用が明らかな状態の自転車」でも捨てたと証明できなかった裁判例もあります。
そんな状態の自転車を「廃棄物だと思った」といくら主張しても。所有の誤解と解釈されて無罪とならない可能性があります。
【まとめ】 放置自転車 は警察に任せるのが良い
放置自転車は所有権の有無が分からず、盗難車でもある可能性もあるので、自分で何かしようとは決してせず、最初から警察に任せると良いです。
放置されている自転車は、盗難車の場合はそのまま警察が担当、盗難車ではなく所有者も分かる(分かりそうな)場合は自治体の役所の担当となります。
盗難車でない場合は「邪魔になっているからどかせるべき」と周知する紙などが貼られ、数日後もそのままなら役所の担当者が回収するのが一般的な対処法になります。