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UberEats配達員の確定申告、青色申告の帳簿の書き方(複式簿記)

 確定申告の時期がやってきました。申告期限は毎年3月15日です。

新型コロナウイルス感染症の影響で、令和2年分(2020年分)の申告期限は2021年4月15日まで延長になりました。

 2020年11月からUberEatsウーバーイーツの配達員を始めたので、今回の確定申告からその報酬を申告する必要があります。今回の確定申告の目標は「青色申告特別控除を適用させること」です。

 個人事業主の確定申告では会計ソフトの購入をすすめられますが、フードデリバリーの仕事の場合は複雑ではないので、個人的にはエクセルなどの計算ソフトがある程度使えれば会計ソフトは不要だと思います。

青色申告特別控除とは

 「青色申告特別控除」は条件を満たした申告の不動産所得または事業所得に対する最大65万円の控除です。その条件は、

 ①開業届を提出(=収入を『事業所得』にする)
 ②青色申告承認申請書が受理されている
 ③貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付する

開業届と青色申告承認申請書の提出

 開業届と青色申告承認申請書は管轄の税務署で手続きできます(即時受理)。

「マイナンバーカードまたは通知書」「運転免許証などの本人確認書類」「印鑑(シャチハタ不可)」を税務署に持参すればその場で手続きできます(無料)。

貸借対照表及び損益計算書の添付

 青色申告特別控除を適用する上で最大のネックとなるのが帳簿で、「青色申告 帳簿」と調べると複式簿記で記載された、数種類の帳簿が必要と出てきます。

 現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳…と、いろいろな帳簿があるのですが、実際にウーバーイーツの報酬をe-Taxで入力してみたら目的の賃借対照表と損益計算書を作成するには「仕訳帳」と「総勘定元帳」の2つがあれば大丈夫でした。

仕訳帳は記入、総勘定元帳は転記

 帳簿は発生主義で記載するもの。

 仕訳帳には収入や支出があったときにその内容を記載し、仕訳帳に記載された項目を勘定科目別に総勘定元帳に転記していく形が一般的です。

 帳簿の記入は複式簿記です。
 複式簿記とは、発生した費用について「支払った側の勘定科目」と「受け取った側の勘定科目」の二つで管理する方法です。

仕訳帳は収入や支出があったタイミングで記入

ウーバーイーツ配達員の場合「収入や支出があったタイミング」は次の3つです。

 ・売上が発生したとき(チップ含む)
 ・物品を購入したとき
 ・未払金の清算 ※現金払い限定

売上が発生したとき(チップ含む)

現金払いではない売上が発生したときの仕訳帳は次のようになります。

日付摘要借方貸方
〇/〇配達売掛金 500円売上 500円

『売掛金』とは後日ウーバーイーツから振り込まれる予定のお金で、後日この500円が振り込まれた日には仕訳帳に次のように記入します。

『事業主貸』は振り込まれた先がプライベート口座、つまり事業のお金ではなく個人のお金となる場合に使用される勘定科目です。

日付摘要借方貸方
〇/〇振込事業主貸 500円売掛金 500円

現金払いの売上げが発生したときの仕訳帳は次のようになります。

受け取った現金が報酬(売上)より高い場合、差額はウーバーイーツに支払うことになるので次のようになります。

日付摘要借方貸方
〇/〇売上現金 1000円売上 500円
未払金 500円

受け取った現金が報酬(売上)より低い場合、残りの売上げはウーバーイーツから振り込まれるようになるので次のようになります。

日付摘要借方貸方
〇/〇売上現金 200円
売掛金 300円
売上 500円

物品を購入したとき

配達に必要なものを購入したときは次のように仕訳帳に記入します。

『事業主借』は事業用のお金ではなく、個人のお金で支払った場合に使用される勘定科目です。

日付摘要借方貸方
〇/〇ガソリン代消耗品 200円事業主借 200円

未払金の清算 ※現金払い限定

現金払いを受け付けると、配達先で注文者から「商品代金」を受け取るため、実際の売上よりも多く受け取るケースがあります。

多く受け取った場合はクレジットカードでウーバーイーツに支払い、この場合の仕訳帳は次のようになります。

日付摘要借方貸方
〇/〇未払金の清算未払金 1000円事業主借 1000円

総勘定元帳に仕訳帳の内容を転記

勘定科目ごとに作成した帳簿(元帳)をひとまとめにしたものが総勘定元帳になります。

仕訳帳に抱えている勘定科目の数だけの元帳ができあがるので、ウーバーイーツ配達員の場合は「売上」「売掛金」「現金」「未払金」「事業主借」「事業主貸」「消耗品」の7つの元帳を作られます。

日付摘要借方貸方
〇/〇配達売掛金 500円売上 500円
◇/◇振込事業主貸 500円売掛金 500円
△/△配達現金 400円
売掛金 100円
売上 500円
▲/▲振込事業主貸 100円売掛金 100円

上のような仕訳帳の場合、下のような総勘定元帳になります。

総勘定元帳<売掛金>

日付摘要借方貸方残高
〇/〇配達500500
◇/◇振込5000
△/△配達100100
▲/▲振込1000

総勘定元帳<現金>

日付摘要借方貸方残高
△/△配達400400

総勘定元帳<売上>

日付摘要借方貸方残高
〇/〇配達500500
△/△配達5001000

総勘定元帳<事業主貸>

日付摘要借方貸方残高
◇/◇振込500500
▲/▲振込100600

総勘定元帳から貸借対照表及び損益計算書を作成

国税庁のホームーページから『国税庁 確定申告書等作成コーナー』に移動し、『作成開始』で確定申告のデータを作り始めます。

令和2年分 確定申告特集 (nta.go.jp)

途中でも『一時保存』で中断することができます。

一時保存をすると.dataファイルがダウンロードフォルダに保存されます。『国税庁 確定申告書等作成コーナー』で作成再開を選び、該当の.dataファイルを選択すると中断したところから始めることができます。

貸借対照表や損益計算書を作るには、令和2年分の申告書等の作成>決算書・収支内訳書 に進みます。

先に決算書・収支内訳書を作成すると、その内容が所得税の申告書に反映されます

決算書(損益計算書)の作成

ウーバーイーツの配達員の場合、入力のメインは『売上(収入)金額』と『消耗品費』で、この2点を入力すれば完了です。

『売上(収入)金額』は矢印で示した青文字の部分をクリックし、新たなウィンドウで月別の売上(収入)を入力すると自動入力されます。

貸借対照表の作成

貸借対照表は総勘定元帳を元に作成できます。

先に作成した損益計算書で算出された『青色申告特別控除前の所得金額』(売上ー経費)は自動入力されてます。

資産の部(左側)=負債・資本の部(右側)になるように作成します。

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