日本はまだ育児休業を取得しにくい国である

「父親は育児に参加していますか?」

3歳児健診の問診票に書かれていた質問ですが、毎度この質問には違和感を覚えます。

「はい」と答えると「具体的には何をしていますか?」と聞かれるからです。そのたびに男性の育児に対する社会の意識の低さについて考えざるを得ません。
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母親の育児について”具体例”を聞かれないからです。

『母親の育児』は当たり前、日々の細事と認識しています。それなら『父親の育児』も同様の認識にすべきなのに、なぜ父親の育児だけイベント化するのか

ため息をついていた私に朝ごはんを食べていた旦那が

「俺、2番目が生まれたら育休取るから」

育休取得宣言をしました。どうやら労働者の権利をフル活用するようです。

育休期間は2ヶ月間、「申請が通るように頑張ってみる」と旦那は気合を入れていました。男性の育休取得については社会と法律の間で攻防中の問題、まるっと申請分が認められるのかが興味があります(丁度仕事が忙しい時期だと言ってもいたので)。

(この結果は後日報告するとして)今回は育児休業について厚生労働省の調査結果や実体験などをもとに意見を述べようと思います。男性の育児協力については「 」もぜひ読んでみてください。

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育児休業は法律で認められた権利

育児休業(以下、「育休」と省略)は子を養育する全労働者に与えられた権利です(就業規則で上乗せ規定を設けている会社もある)。「労働者から育休の申し出があったら事業主は断れない」と法律にあります
 ↓ だから
育休の取得について会社の許可は必要はない…と言いたいですが、それは実のところ大変難しいです

育休については「法律上」という言葉がよく出てきます。それだけ法律と現実の社会の間に解決できていない問題が多いということです。育休は”法律上”男女問わず取得できますが、実際は男性の方が圧倒的に取得しにくくなっています

【育休取得条件】
● 今の会社に勤続1年以上
● 所定労働日数が週に3日以上ある
● 育休申請日から1年以内の退職が決まっていない
● 養育する子どもは1歳未満
  (条件を満たせば1歳6ヶ月未満まで可能
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2~3歳まで育休の延長取得を認める会社もある
※全体の約2割が延長期間を設定済((平成27年度厚生労働省調査)

この条件を満たす労働者は男女問わず育休を取得できます。実子・養子の別はなく、子どもが養子であっても取得することができます。また家族など事実上子どもの世話をできる人がいても育休取得には関係ありません
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これが男性の育休を取りにくくしている原因の1つです。「奥さんが子どもの面倒をみれるでしょ?」と言われるからです(法律上はそれでも問題ないのですが、ね)。男性は子どもが産めないので”産んだ母親”が当然いると思われますからね

”子どもは母親が育てるもの”が定着している日本において女性労働者が「旦那さんが子供の面倒をみれるでしょ?」と言われることは滅多にありません。保育所や祖父母などを挙げることもありますが、待機児童の問題や核家族化の問題などが社会に蔓延しているので「無理です」が簡単に通ります。男性の場合は「無理です」が通りにくいのです。

育休中の収入は通常の8割以下

会社の給料はどうなるのか?

給料と同等の金銭が支払われる会社もあれば、支払われない会社もあります

育休期間中の賃金について会社に支払い義務がありません(法律でそうなっています)。実際に平成27年度の厚生労働省の調査によると、育休中の労働者に対して「会社や企業内共済金などから金銭を支給している」会社は全体の約15%となっています。
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どうしても不公平感が出てしまうので、他の労働者との間の軋轢を避けるために導入していない会社が多いと考えられます(今の日本に子どもを社会で育てる風潮はない。詳しくは「」を読んでください)。

会社から支給される賃金がない又は少ない場合の保障はあるのか?

あります。雇用保険法により育休期間中に会社から支給される賃金がない又は少ない労働者に対し、一般被保険者または高年齢被保険者であり、次の3条件を全て満たしている場合は『育児休業給付金』の支給が認められています。

(1)賃金支払基礎日数11日以上の月が12ヶ月以上ある
育児給付金を支給されるには、育休開始前の2年間のうち賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上なくてはいけません。”賃金支払基礎日”とは通常の出勤日と有給休暇など賃金が支給される特別有給休暇が対象になります。

(2)1ヶ月毎の就業日数が10日以下である
育休の間は1ヶ月の就業日数が10日以下でなくてはいけません。育休中は1ヶ月毎に就業状況をチェックされます。11日以上就業している場合は育休中とは見なされません。

(3)1ヶ月の賃金が育休開始時の80%未満
育休の間に会社から支給される賃金(1ヶ月分)は育休開始時の賃金の80%未満でなくてはいけません。賃金と育児給付金を合わせて育休開始時の賃金の80%を超える場合は育児給付金が減額されます。育休中は1ヶ月毎に就業状況をチェックされます。

育児休業給付金は休業開始時の賃金(日額)を基に算出されます。給料として月単位で〇〇円という認識の人が多いと思うので、育休取得時は休業開始時の賃金(日額)を問い合わせておくと良いでしょう。育休開始から180日経過後は67%→50%に減額されます。

育児休業給付金の金額(1ヶ月あたり)
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

収入が会社からの給料だった場合、育児休業中の収入は今までの8割以下になります。しかし社会保険料の納付が免除されるなど特例があります(年金保険料の納付の免除については「 」を読んでください)。

育児休業は社会に浸透していない

厚生労働省が調査した平成27年度雇用均等法基本調査によると育児休業の浸透率は低いと考えられます。特に女性の育休取得率は約8割ではあるものの男性の育休取得率は0.2割と極めて低いことが分かりました。
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男性の育休取得率の低さは男性の子育てに対する意識の低さにつながっているとされ、それが女性の就労や待機児童などの子育て支援問題の原因の1つと分析されているようです…が、これらは全て「国民全員が同じだけ税金を支払い恩恵を受けなくては不公平だ」という認識が原因なのではと私は考えます。妊娠・出産・育休など子育てに関する国の金銭支援に対し「独身だと損じゃないか?」「子どもを産むのがそんなに偉いのか?」という意見がありますから

また平成28年版男女共同参画白書によると「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に賛成派は約45%と未だに高い数値を記録しています(長期的には減少傾向ではある)。

因みに私はこの意見に賛成派です旦那が外で働き、私は家事とWEBライター業そして資産運用で旦那の稼いできた資金を増やしながら家庭を守っています(こう表現すると私の方がマルチですね

育児休業規定がある会社の割合(事業所規模別)
 事業所規模5人以上30人未満   … 約73%
 事業所規模30人以上500人未満 … 約92%
 事業所規模500人以上     … 約100%
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育休期間中の抜けをカバーできる人員の確保が難しい規模の会社は育児休業に関する就業規定が少ないようです(会社で規定していなくても法律があるから特別に規定していない場合もある)。  

育休を取得する労働者を雇いながら抜けをカバーする人員を確保することは経営者側にとって経営リスクともなります。そのため結婚・妊娠・出産をした女性を退職・降格・減給にするマタニティハラスメントは問題になっています。

しかし「育休復帰後は以前と同じ職務もしくは同等の職務に就かせる」というルールがあっても実際に居なかった期間があるのです。実際に育休を取ったから思うのですが、1~2ヶ月経てば職場でに新しい仕事の進め方や全体のリズムが生まれています。そこに突然「戻ってきたから今まで通りよろしく」と言っても、まるでタイムスリップしてきた人と同じ、普通周りは戸惑ってしまうのではないでしょうか
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この結果の部署替え、それに伴う降格・減給を「マタハラだ」と騒ぐのは…ちょっと違うのでは(何が正しいのかは分かりませんが)

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takka

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