大統領の通信簿と言われる”アメリカ中間選挙”について

アメリカの中間選挙が始まります。アメリカの中間選挙は”大統領の通信簿”と言われるほど、大統領の政策に対する評価が表面化するイベントです。

基本的に私たちのニュースに関する判断は報道の影響が大きいです。そもそも<トランプ大統領の誕生はあり得ない>と報道されていたくらいですからね、選挙して蓋を開けてみたら事実はビックリだったというのも最近の出来事です。

今回の中間選挙では「アメリカ国民がドナルド大統領をどう思っているのか」がある程度分かるでしょう。今回はアメリカ中間選挙について基本的な点をまとめてみました。

アメリカ中間選挙とは?

「アメリカ中間選挙」とは2年に1度の議会選挙です。今回は同時に36の州知事選に加え、市長、教育長、州裁判官、保安官などの選挙もあり一大イベントとなっています。

任期2年の下院議員は435人全員が改選、任期6年の上院議員は100人のうち約3分の1が改選となります

現在は上下両院とも多数派は共和党です。大統領もあわせて共和党の統一政府ですが、中間選挙の結果によっては日本の「ねじれ国会」のように上院と下院で違う政党が過半数を占めて「分裂政府」となることもあります。ねじれると政治は滞ると容易に予想できます。

また、アメリカには”大統領”というトップの存在もあるので、日本のねじれ国会以上にねじれます。ドナルド大統領の場合、下院の過半数を民主党にとられると議長だけでなくどの政策に優先的に取り組んでいくか決める委員長職も変わるため、ドナルド大統領の政策運営そのものが大きな影響を受けます。

大統領の政党が中間選挙で負けると?

オバマ前大統領の時代、就任して2年間は上下両院とも民主党が多数派でオバマ大統領の統一政府でした。この期間にオバマ大腸量は主導議会と共に「オバマケア」「大型景気刺激策」「ウォール街改革」の3つの大きな法案を成立させていきました。

しかし、2010年の中間選挙で、下院で民主党が負けて共和党が多数派を取りました。これ以降オバマ大統領は望む政策を立法化することができなくなりました。

”現職なし”のところは激戦となる

上下両院の再選率は9割以上であり、現職がいるところはだいたい現職が当選します。議会に変化を与えるのは現職がいないところの選挙戦で、ここは風が吹き荒れる激戦区となる傾向があります。

今回の中間選挙では、共和党の下院は議員の引退や上院や知事選への鞍替えで40の議席で現職がいなくなります(民主党はこの半数)。

下院議員では現在共和党が235議席に対して民主党は193議席(7人欠員)であり、議席差は42です。そのため「下院では民主党が有利」という見方があります。

大統領の政党は不利な傾向あり

大統領選の年に当選した大統領と同じ党の下院議員には、大統領の勢いに便乗して当選したという議員も少なからずいます。この現象を「コートテール現象(便乗現象)」といいますが、この逆のパターン「逆コートテール現象」が中間選挙では見られます。

今回の中間選挙でも下院では逆コートレール現象の気配が見られます。

  • 選挙資金が民主党候補に集中
  • 民主党の方が資金も熱意も関心が高い

上院についてはオバマ元大統領時代のコートテール現象で当選した民主党議員が多数います。今回の改選では対象の35議席にうち民主党の議席が26であり、「上院では民主党がかなり不利」という見方があります。

選挙の争点はいつも景気だが今回は?

選挙の争点は常に景気であり、景気が好調だと大統領の政党が議席を減らす傾向が強いといってもある程度のキズですみます。

現在のアメリカの景気は絶好調、9月の失業率は3.7%と低水準です。

しかし今回の中間選挙では「経済」と同じレベルで、「移民」「医療保険」「銃規制」が争点となっています。

移民についての課題

移民政策の1つ、メキシコとの国境での壁建設方針も「犯罪者やテロリストの入国を防ぐ」と共和党支持者は見ていますが、民主党支持者は「移民の国のアメリカの理念に反する」と批難しています。

医療保険についての課題

オバマケアでは医療保険に非加入の人に対して課税することで加入義務付けを目指しましたが、共和党は昨年の税制改正で非加入者に対する課税を撤廃しました。

オバマケアの柱がポキッと折れたということになり(事実上オバマケアの廃止)、これについて民主党支持者は強く反発しています。

銃規制についての課題

フロリダ州パークランドでの銃撃を生き延びた若者が中心となって銃規制強化を働きかけ、全米ライフル協会(NRA)から献金をもらっている候補者の落選運動を進めています。

一方で共和党支持者は「武器の保有は憲法修正第二条で認められている権利である」と主張して、銃規制を強いく反対しています。

中間選挙の投票率は毎回低いが今回は?

中間選挙の投票率について、4年前の投票率は36.4%ととても低いです(「戦後2番目に低い」と評された日本の去年の衆議院選挙の投票率は53.4%)。

【中間選挙の投票率が低い理由】

  • 有権者登録が必要なため
  • 投票日が平日の火曜日のため
  • 再選率9割と結果が見えているため

アメリカには日本のような住民票がないため、有権者であっても選挙で投票するためには事前に”有権者登録”を住所地で行う必要があります(登録した人だけが選挙人名簿に記載される)。

有権者登録には一定の費用と公的書類の提出等の手間がかかるため面倒に思う人が多いそうです(引っ越しが比較的多い低所得者層は特に)。

日本で生活していると住民票の管理って面倒でしたが、20歳以上の人ならば誰でも選挙人になれるというメリットはあるようです。

アメリカ中間選挙では有権者登録をする手間をかけても、平日仕事を休んでも、『投票に行きたい』と思わせる熱意が投票率を左右します。今回はトランプ大統領に対する”怒り”がカンフル剤となりつつあります(特に、若者の有権者登録が拡がっている)。

参考記事:上智大学総合グローバル学部 前嶋和弘教授「2018年アメリカ中間選挙 4つの法則と今回の注目点」(Yahoo!JAPAN ニュース)

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takka

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