貸し農園の開設方法と利用するときの選び方

庭で作業をしていたら老齢のご夫婦が「貸し農園でできたの。いっぱいあるからもらって?」とブロッコリーをたくさん、ドサドサッと両手に乗せてくれました。聞けば自宅から散歩で行ける距離に年間2,000円で農園を借りているそうです。
ブロッコリー
貸し農園(市民農園)は小面積の農地を利用して野菜や花を育てる農園で、最近は市民農園の利用者が増加しており、自治体、農協、個人などが開設しています。特に自治体が開設した貸し農園は年間数千円で借りることができ、自由に何でも育てられることが人気です。

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子育て世代やシルバー世代に人気の貸し農園

貸し農園(市民農園)とは小面積の農地を利用して野菜や花を育てる農園で、レクリエーション、高齢者の生きがいづくり、子どもの体験学習など体ような目的で利用されています。このような農園作りはヨーロッパ諸国で古くから歴史があり、ドイツでは「小さな庭」という意味を持つ「クラインガルデン」と呼ばれています。

農林水産省は農地の遊休化が深刻化している地方の活性化の施策として25年ほど前から市民農園の開設の推進をしています。当初は約700だった農園も2016年3月末の段階で全国に約4,200まで増え、農園数はいまも増加しています。市民農園の開設主体は地方公共団体(自治体など)が半分以上ですが、農家・企業・NPOなどが開設した農園も増えています。

【目次】
● 貸し農園を開設するメリットと注意点
● 貸し農園の選び方
● まとめ

貸し農園を開設するメリットと注意点

農家(農業従事者)の高齢化や後継者不足などで農地の遊休化が深刻な問題となっています。耕作されず荒廃した農地は農地としての継続利用が困難となり、雑草がはびこり近所迷惑のもととなります。また農地として利用がされていないと見なされると地目が農地から雑種地となり課税額が増す可能性があります。自然環境も悪化するなど農地を遊休化(放置)することはデメリットだらけです。

貸し農園を開設する方法
● 農園利用方法
  市民に農地を貸し付け、賃料を受け取れる。
● 特定農地貸付法による方法
  市民の農作業体験をしてもらう市民農園で入園料を受け取れる。
● 市民農園整備促進法による方法
  休憩所・トイレ・駐車場・倉庫など付帯施設がある市民農園で、賃料を受け取る方法と入園料を受け取る方法が選べる

それぞれ一定の条件を満たして所定の手続きをする必要があります。お金や権利に係ることなので少々煩雑なため、自治体の担当部署や農林水産省の相談窓口に相談することをおすすめします。

また上記3つの方法とは別に、農家が農地を提供して自治体、農協、企業やNPOなどが貸し農園を開設する方法もあります。どの開設方法でもメリット・デメリットがあるので慎重に開設方法を選定する必要があります。次に貸し農園を借りる側の視点から評価してみます。

貸し農園の選び方

貸し農園には「日帰り型」と「滞在型」があり、どちらも貸している人(開設者)で大きく4つに分けることができます。

貸し農園の種類
(1) 地方公共団体が開設している農園
(2) 農業協同組合(農協)が開設している農園
(3) 農地を所有する農家等が個人で開設している農園
(4) 民間企業やNPO等が開設している農園

(1)~(3)の貸し農園については農林水産省のホームページに掲載されている『全国市民農園リスト』から調べることができます。また(1)については市町村の農政課等が管理・運営を担当しており、自治体のホームページなどに詳しい情報が掲載されていることが多いです。

貸し農園を選ぶ4つのポイント
● 最低でも週1回は無理なく通える距離にあること
● 指導者の有無
● 栽培する作物の種類や農薬などの制限事項
● 年間使用料

貸し農園の場合、耕作や雑草駆除など区画の管理義務は利用者にあります。小まめに区画の手入れをするためにも無理なく通える距離・場所にある貸し農園を選びましょう。農園によっては手数料を支払うことで水やりや日頃のメンテナンスを代行するサービスを提供していることもあります。

農協や農家が提供している貸し農園はインストラクターやアドバイザーなどの指導者がいることが多いです。指導者がいる場合は農機具を貸してもらえたり野菜作りのアドバイスをもらえるというメリットがありますが、自由に好きな野菜や花を育てられないというデメリットがあります

貸し農園は一度現地を見ておくことが大事です。自治体の提供している貸し農園は年間使用料が安いですが、作業用具のレンタルがなかったり農機具用の倉庫(ストッカー)がなくて結局利用しにくい・不便だという人も多いです。一方で年間使用料が高いがシャワールームやパウダールームまで完備されている、イベントが充実しているなどの貸し農園も増えています

まとめ

”野菜を育てる”ということはベランダに小さなコンテナを置いて畑にするなどいくらでも方法がありますが、色々な作物に挑戦したいという人には貸し農園は最適なサービスです。貸し農園は同じ趣味を共有する人と触れあえる場であり、休憩スペースが付帯された農園ではあちこちで性別・世代を超えた豊かなコミュニケーションが実現されています。

一方で貸し農園は貸している側・借りる側のどちらでも問題が起きています。貸している側のトラブルでは、「”貸している=いつでも返してもらえる”と思って気軽に貸し農園を始めたが実際には返してもらい難い(育てている作物を取り上げるという行為になるため)」「農園に来る人の車が違法駐車されている(近所迷惑)」という問題等があります。借りる側のトラブルでは「指導者がいろいろ指図して自由に作れない(煩わしい)」「隣の区画を借りている人との関係が良くない」などがあります。

貸し農園は最近人気があるため色々な種類(サービス含め)があります。必ず現地に足を運び、契約内容(特に制限事項)をよく確認して自分に合った貸し農園を見つけましょう。

【参考/出典】
全国市民農園リスト/農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/nousin/nougyou/simin_noen/s_list/index.html

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