母子健康手帳の交付と手帳にまつわる歴史

土曜日に病院に行き胎児の心拍確認ができたので無事に妊娠確定判断されました(妊娠の確認に関する記事:)次は自治体に妊娠の届出をすることになります。

妊娠の届出をすると母子健康手帳と出産までの健診費用をサポートする助成券が交付されます。母子健康手帳は自治体によって異なり、転居をするたびに新しい地で「あら、予防接種のページはどこかしら」と見慣れない母子手帳に戸惑う小児科医を見てきました。集団検診や予防接種のときはちょっとしたアウェー感を味わいます

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【目次】
● 妊娠の届出に必要なもの
● 母子健康手帳に記載されているのこと
● 母子を保護する法律は戦争から生まれた

妊娠の届出に必要なもの

妊娠した者は速やかに市町村長に妊娠の届出をすることが義務付けられています(母子保健法第15条)。届出を受けた市町村は母子健康手帳を交付することも定められており、妊娠した者は国籍や年齢を問わず母子健康手帳の交付を受けることができます。

母子健康手帳は母親と生まれてくる子どもの一貫した健康管理と健康の維持に役立つ手帳です。自治体によって大きさやデザインが異なります。外国人の居住人口が多い川崎市、横浜市、浜松市などは独自に外国語版の母子手帳が作成されています。

妊娠の届出に必要なもの(一般例)
● 産婦人科など病院の発行する妊娠届出書
● 個人番号カードまたは個人番号通知カード
● 本人確認できるもの(顔写真つきの身分証明書類)

個人番号カードまたは個人番号通知カードについては2016年1月1日のマイナンバー制度導入に伴う母子保健法一部改訂に伴い必要なものとなりました。行政手続きのために番号を利用するからです。

妊娠の届出については婚姻関係のある夫または婚姻関係にある夫と妻(本人、妊娠した者)の父母のみが代理申請できます。代理申請の場合は事前に妊娠した者自身が必要箇所を記入した妊娠届出書と委任状が必要になります。また妊娠した者の個人番号カードや個人番号通知カードの原本の持参が難しい場合はカード両面をコピーしたもので代用できます。

妊娠届出書に記載されている内容
● 届出年月日
● 妊娠した者の氏名、年齢、個人番号および職業
● 居住地(住所)
● 妊娠月数
● 意志または助産師の診断または保健指導を受けたときはその氏名
● 性病及び結核に関する健康診断の有無

妊娠の届出をすることで母子手帳の交付と同時に妊婦健康診査のときに利用できる助成券が交付される自治体が多くあります。自治体と契約した医療機関で利用できる助成券で、健康診査に必要な費用の全部または一部が助成されます(利用している医療機関で助成券が利用できなくても、助成券に該当する内容の場合は後日申請することで費用の一部または全部が戻ってくる自治体も多くあります)。

妊娠中に転居などにより別の自治体に転出・転入をした場合は、以前の自治体の助成券は使用できなくなりますが、新しい自治体の担当窓口で交付申請をすればその自治体で利用できる助成券が交付されます(以前と同じ助成内容とは限らないことに注意!)。

母子健康手帳に記載されていること

生まれた子どもが一定の年齢に達するまで医療機関を受診するときは母子手帳の携帯が必要となります。生まれた子どもが医師、助産師または保健師、歯科医師について健康診査や保健指導を受けたときは母子手帳に必要な事項が記載されます(記載義務あり)。出産1年前後の母親(妊産婦)についても同様に健康診査や保健指導を受けたときの内容が母子手帳に記載されます。

母子手帳は子どもの健康等の確認に重要な書類であり、保育園や幼稚園、小学校などに入園・入学するときに内容の確認をされることがあります。

母子手帳に記載されていること
● 法律で記載を義務付けられている記録等
● 日常生活上の注意
● 健康診査の受診推奨
● 栄養の摂取方法
● 歯科衛生など妊産婦の健康管理に必要な情報
● 育児上の注意
● 疾病予防
● 栄養の摂取方法
● 歯科衛生など乳幼児の養育に必要な情報
● 予防接種の種類・接種時期・注意事項
● 母子保健に関する制度の概要
● 児童憲章等など母子保健の向上に有効な情報
● 母子健康手帳の使用における留意事項

母子を保護する法律は戦争から生まれた

母子健康手帳の根拠となる法令”母子保健法”は太平洋戦争直前の1937年に施行されました。その後の1941年に施策された「1夫妻5児」のような戦時体制下の人口増加施策の一環でした。その結果、出産から保育までの環境が整備され始めました。

1942年には妊産婦手帳制度が発足し、戦時下でも物資の配給が優先され、定期的な医師の診察も保障されました。妊産婦手帳が母子手帳になったのは1947年の児童福祉法施行に伴います。

1966年に母子保健法が施行され、1967年から母子手帳が現在の母子健康手帳に変わりました。その後1981年の改定に伴い成長記録を母親が書きこめる形になりました。現在のように市町村で交付されるようになったのは1991年からで、それまでは都道府県交付でした。

日本で母子健康手帳の制度が完成されつつあった1980年代に、研修で来日していたインドネシア人の意志が母国で手帳の普及を思い立ち、1989年からインドネシアでも試験的に手帳の配布が開始され、日本政府も支援に乗り出しました。現在はメキシコやパレスチナでの普及に着手し、いずれはアフリカ諸国での普及も視野に入れています(JICAの方針)。

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(May 09, 2017)

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